トランジスタアレイについて
なんだかんだで便利であろうトランジスタアレイの使い方でも書こうと思いましたハイ
今回はTOSHIBAのTD62783とTD62083を例に基本的な使い方を考えていきます。
トランジスタアレイは二つ種類がありまして、シンクドライバとソースドライバというやつですね。まぁ、意味合いとしては引き込むか、取り出すかという感じです。詳細は使用方法を見ればわかると思います。いわゆるトランジスタでいう、P型かN型かというような感じです。
まず必要なのはなんといってもデータシートですね。これは秋月電子で検索するとすぐに出てきます。なぜ沢山あるトランジスタアレイからこれを選んだかって?気分です・・
さて、データシートを眺めると特徴やら最大定格やら色々出てきますが、これは今回は後回しにします。なにせトランジスタアレイを使おうとして真っ先に引っかかった記述があり、先にこれを紹介したいからです。以下の画像はデータシートから切り抜きました。
TD62083はシンクドライバ、TD62783はソースドライバです。
ぱっと見、なんや!ただのNOT回路やんけ!!これは電流の取れるロジックICみたいなもんやな!!!とか思いませんか???
僕は思いました()
しかしデータシートの次のページにこんなのが載っています。(画像は見ずらいと思うのでデータシートを参照してくださいすいません)
基本回路が載っているわけですが、つまりトランジスタアレイはトランジスタ回路なのです!(点線で示されているダイオードはICを作製する過程でできてしまう寄生ダイオードです)
接続の方法もロジックICと同じではありません。
それをやって動かなかったのは僕です!良い子のみんなはマネシナイデネ
まずTD62083のシンクドライバについて考えてみます。
基本回路のOutputの位置に注目するとTD62083のシンクドライバは最終段のトランジスタのコレクタについています。これはオープンコレクタとみることができます。オープンコレクタとは、トランジスタのコレクタが外部ピンとして取り出されていて、トランジスタがON/OFFするとそのピンは電流を吸い取ったり、電流を遮断したりする挙動をするものを指します。
つまりこんな感じです。コレクタピンに抵抗R1を外付けすると、Inputに対して反転した信号がOutputから得られることがわかると思います。また、この回路はn型トランジスタのエミッタ接地増幅回路ですので、トランジスタQ1の能力分電流を流すことができます。よってR1の位置にある負荷を駆動することもできます。この回路が8つ入ったICがTD62083、シンクドライバです。電流を引き込んでいくのでシンク(流し台)のようだということらしいです。実際の回路として、TOSHIBAのアプリケーションノートから抜粋した図がこちらです。
シンクドライバは以上です。
次はソースドライバです。最終段のみだとこんな感じです。負荷はOutputとGNDの間に挿入します。こちらはエミッタフォロワみたいですね。こちらはInputの信号が反転しません。また電流も先ほどと同じく流すことができます。
では応用回路です。シンクドライバとは負荷の位置が逆です。
TOSHIBAのアプリケーションノートから抜粋しました。このように接続します。
トランジスタアレイには入力電流制限抵抗が内臓されていますのでマイコン等を接続する際は直結で問題ありません。(入力電圧5Vで入力電流約0.2mA)
次に使用する際にはもちろんデータシートを読み、定格を超えないように使用する必要があります。データシートには最大電流500mA/chと記載がありますが、どの条件においても全chに500mA連続で流せるわけではありません。連続で流せる電流値は許容損失も兼ねて考えなければICが燃えます。
損失は今回のICの場合8ch入りですから全てのchを合計した値が必要です。
また、データシートに記載されている許容損失をフルに使うとICが加熱してきます。そのため損失は大きく余裕を持った設計をする必要があります。
ぶちゃけLED8個とかなら全く問題ありませんからそのくらいの負荷なら適当で(ry
それではまた。
参考